肋間神経痛におすすめの漢方3選を解説
2018/07/07
肋間神経痛に漢方は有効だろうか?
症状に対する対処療法しかできない西洋医学とは違い、漢方を始めとする東洋医学は、病気の原因にアプローチする根本治療であるため、かなり有効だというのが一般的である。
僕は漢方のお世話になるまでもなく自然治癒したのであるが、同じ症状に苦しんでいる方からの話を聞くと、漢方が有効だという人とそうでないという人の意見は半々だった。
ここでは、漢方が有効だったと言う方の意見を参考にして、肋間神経痛におすすめの漢方について紹介してみたい。
目次
神経痛に対する漢方の考え方
漢方などの東洋医学は、神経痛に限らず病気や症状を気・血・水の3つのバランスの乱れによるものと考える。
以下にそれぞれについて解説しよう。
1 気の乱れ
「病は気から」とは、昔から我が国でよく言われている言葉であるが、実はこれは東洋医学の根本的な考え方である。
生命が活動するエネルギー=気であり、この気の疲れや乱れによって、体内の毒素が上手くデトックスできなくなる状態になると考える。
また、気の疲れや乱れは肝臓の働きを鈍くさせてしまい、体内の代謝がうまく回らないことになる。
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2 瘀血(おけつ)による血の汚れ
人間の体内には、毛細血管を含めるとおよそ約10万kmにも及ぶ血管が張り巡らされており、心臓がポンプの役目をしながら全身に酸素と栄養を運んでいることは、よく知られていることである。
瘀血(おけつ)とは、上記の気の乱れや何らかの原因により生じた血管の炎症により、血流が滞ってしまっている状態のことである。
先述した通り、血液には細胞が求めている酸素や栄養が含まれているため、血流が悪くなること(気血不足)により、様々な病気の症状が出てくるというものである。
3 冷えによる滞り
人間が何らかのウイルスや感染症に罹患した場合、発熱して免疫力を高めることからもわかるとおり、熱というのは生命活動を維持していく上で、極めて重要なファクターである。
その「熱」と相反する概念が「冷え」であり、漢方ではこの「冷え」によって臓器の働きが鈍化し、上記の瘀血(おけつ)を誘引すると考える。
また、余分な水分を代謝する働きが衰えるとそのぶん体が冷えるため、代謝機能を上げることも重要である。
肋間神経痛におすすめの漢方について
では、肋間神経痛には先述した3つの概念の中で、どれが最も重要と考えればよいだろうか?
もちろん、それぞれに相関性があり、そのバランスの乱れがよくないわけであるが、やはり一番は血流を良くすること=瘀血(おけつ)を解消することであろう。
こちらのエントリでも書いた通り、神経痛と血流には深い相関性があると、僕も体感的に感じている。
それではこの瘀血(おけつ)状態を改善してくれる漢方について紹介しよう。
1 痛散湯(つうさんとう)
痛散湯は漢方の概念の1つである「水」の循環を改善し、体内の瘀血(おけつ)状態を改善する目的で処方される漢方である。
古くから、身体の痛みを緩和するために用いられてきた漢方である、麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)に、再春館製薬所の独自の配合である防已(ぼうい)と呼ばれる利尿作用のある生薬を配合したものである。
効果効能として肋間神経痛も明記されており、即効性はないものの(3ヶ月間の服用が推奨されている)、臨床データーでは神経痛の約80%に改善が見られた。
効能効果[編集]
- 煎じタイプ(商品名:痛散湯)[7]
三叉神経痛、肋間神経痛、後頭神経痛、腕神経痛、坐骨神経痛などの各種神経痛、急性慢性関節リウマチ・肩関節周囲炎(四十肩)などの疼痛に効果あり。
- 顆粒タイプ(商品名:再春痛散湯エキス顆粒)[8]
発熱して諸関節や各処の筋肉が腫れて痛む、神経痛・リウマチ・肩痛・筋肉痛・関節炎の諸症に効果あり。
有効性(データ)[編集]
医薬品の臨床試験に関する基準(GCP基準)に準拠した臨床試験を2003年6月1日 - 2004年3月31日の期間で行った。
顆粒タイプを3カ月服用して、変形性膝関節症、肩関節周囲炎、坐骨神経痛の自発痛が60%以上改善した人数の割合はそれぞれ91.7%、87.5%、78.6%であった[9]
出典:wikipediaより
また、薬効薬理として肋間神経痛の症状の原因となる筋肉の緊張緩和があり、ある程度の効果効能は認められるものの、人によっては「効かない」という人もいるようである。
また、痛散湯のデメリットとしてあげられるもので最多のものは、「価格が高い」というものであり、1ヶ月分で14000円強ほどである。
以上の理由から、個人的には痛散湯の防已(利尿作用のある生薬)を省いた麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)をおすすめする。
これだとAmazonでも売られており、価格も約1/10と求めやすい価格だからである。
2 当帰湯(とうきとう)
当帰湯(とうきとう)とは、体を温める目的で配合されており、主に冷え性の方や胃腸の弱い方に処方される漢方である。
また、適応症として肋間神経痛が明記されており、疼痛(とうつう)にもよいとして広く知られたものである。
効果・効能[編集]
背中に冷感があり、腹部膨満感や腹痛のあるものに使用[1]。
適応症[編集]
肋間神経痛、心臓神経症、過敏大腸症、慢性膵炎、狭心症[2]
出典:wikipediaより
当帰(とうき)とは、セリ科の植物で血液の循環を高める作用があり、その他にも桂皮(けいひ)と芍薬(しゃくやく)などの、体を温めて疼痛を抑える働きを持つ生薬や、筋肉を弛緩させ抗炎症作用のある甘草(かんぞう)など、10種類の生薬を配合したものである。
服用の際の注意事項だが、上記の甘草(かんぞう)の大量服用により、偽アルドステロン症(むくみや高血圧など)や低カリウム血症を生じたりする場合がある。
そこまで重い副作用ではないが、先述の麻杏薏甘湯にも甘草(かんぞう)が含まれており、飲み合わせは避けたほうが無難だろう。
3 疎経活血湯(そけいかっけつとう)
中国の明時代の古い医学書にも記述のある疎経活血湯(そけいかっけつとう)は、血流の循環を改善し、疼痛を抑え、余分な水分を代謝させる働きを持つ、17種類もの生薬からなる漢方である。
瘀血(おけつ)や水滞(すいたい)状態を改善することで神経痛特有の痛みを改善させる目的で処方されることが多い。
関節痛や神経痛、腰痛、筋肉痛などに適応し、その他にも痛風や女性の更年期障害・生理痛などにも適応する漢方である。
主に「血」と「冷え」の2つに適応する効能があるため、上記2つの漢方との違いは、どちらかといえば気力の充実した若い人によいだろう。
ただし、先述のむくみや血圧上昇などの副作用(偽アルドステロン症)のおそれがあるため、その他の漢方との飲み合わせには注意が必要である。
まとめ
以上、肋間神経痛によい漢方3選の紹介と解説であった。
注意点であるが、漢方はあくまで生活習慣に基づいたものであり、即効性を求めるのはよしたほうが良いだろう。
その他の肋間神経痛によいアイテムについては、以下をご参照頂きたい。
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